言の葉と道具

「Chromebook」や巷にあふれる「文章」に関することを書いていきます

【本】新社会人がビジネスで文章を書く上で最初に読むべき3冊

4月に多く見かけた新社会人の姿が、5月も末になると気にならなくなってきました。彼ら彼女らが社会人として慣れてきたからなのかもしれません。


新社会人といえば、思い出すことがあります。社会人になってからしばらくたってからでしょうか。仕事上で書く文章を「どう書けばいいのか」としばしば悩んだことを。その結果、私は文章術系の本に解をもとめました。本棚をかぞえてみたら、20冊はあるでしょうか。


ところで、ある分野を知るために読む本は、三〜五冊程度の主要書籍・解説に目を通しておけば、ほぼ十分な情報量を得られるといいます。そこで、今回は私の読んできた中から「新社会人になるくらいときに読んでいればよかった」と思った本を3冊、挙げたいと思います。

1.『頭がいい人の文章の書き方 (小泉十三、他)』で”基本”を知る

はじめて人に進呈した(おすすめした)本です。 
就職活動をする上で書くのが苦手と言っていた、親戚の学生にプレゼントしました。本のサイズが大きくて(週刊誌などのB5サイズ)、厚くない(100ページほど)ため、文章を書くうえでの基本が示されている。瑕疵があるとすれば「頭がいい」というタイトルがすこし大げさなくらいでしょうか。この本のおかげかは定かではありませんが、彼は無事就職できました。


頭がいい人の文章の書き方 (イラスト図解版)

頭がいい人の文章の書き方 (イラスト図解版)


2.『考える技術・書く技術(バーバラ・ミント)』で”構造”を知る

人から借りたあとにあらためて自分で買いなおした、はじめての本です。
タイトルでネットを検索すると、数多くのレビューがあります。本書は、一つのメッセージにはその下に複数の要素を配列するという「ピラミッド原則」の考え方を提示しています。社会人になってから2,3年目の上司が読書家で、読めと持ってきたなかの一冊でした。そして、とっつきにくさに挫折する結果に。


それからしばらくして自分で買い直しました。それでも主には「第1部 書く技術」を読んだだけにとどまっています。ただ、今でも資料作成する際、その筋道にもやもやしたときに、本書をぱらぱらと読み返すなんていうことをしています。


考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則


3.『編集手帳の文章術(竹内政明)』で”こだわり”を知る

文章術系の本で一番好きな本です。以前も単独で書いたことがあります。


i-daigoro.hatenablog.com


今回再度紹介するポイントは、新聞という数多くの読者をもつ媒体で、長年1面コラムを書き続けてきた方の具体的な心得を知ることができるというこです。例えば、文末の「だ」は必要以上に文章のテンポを良くしてしまうため使わない、といったこだわりがある一方で、新聞コラムを書く上で気にかけていることにも触れています。

本書は文章術に関して教科書的に書かれたものではありません。ですから、そういった向きを期待すると肩透かしとなりそうです。しかし
ながら、新聞に書くうえでの制約と、書き手としての矜持のバランスに気くばりが見える本書を通じて「こっちの書き方の方が個人的には好きだけれど、会社としてはこちらの書きぶりが良いかな」という視点が養えるのではないでしょうか。


「編集手帳」の文章術 (文春新書)

「編集手帳」の文章術 (文春新書)


文章をいかに書くかという本は数が多く、どれがいいのか迷ってしまいます。そのようななかで、少しでも参考になればと思います。