言の葉と道具

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【雑記】前例のないことに対する文章はためになる(眞子さまご結婚延期へのお気持ちの文書)

結婚についてあれこれ言うのは野暮であるけど、異例のことが起きたときに発表されるリリースは、やはり気になるものです。

2月6日、宮内庁秋篠宮家の長女、眞子さまの結婚が延期されることを発表しました。
3月4日に結納にあたる儀式がおこなわれる予定であったということですから、昨年5月に結婚内定報道があってから、結納直前といっていい時期での発表です。

その中で気になりましたのが「眞子さまのお気持ち」文書のことです。

結婚延期に関するものなので、当然おめでたいものではないけれども、結婚に向けた前向きな気持ちを強く表明しながら、しかし、結婚そのものを深く考え直します、という意思もだされているこの文章に、私は興味深く読ませていただきました。

押さえたいと思った点は2つ、「どんな構成の文章か」、「何を言っているのか」ということです。

1.文章の構成

お気持ちは文字数として1050文字程度(手元のWordによるカウント)であり、以下の
6つのパラグラフからなります。以下の要約は私が行ってものです。

  1.結論:お気持ちの結論
    準備の時間が無いと認識した。
  2.振返り:今までの経緯
    昨年5月の報道に困惑したものの、婚約内定を大きく前倒しして発表し、諸行事の予定も昨年11月に発表した。
  3.結論にいたる背景と反省
    色々なことを急ぎすぎていた。
    結婚という人生の節目をより良い形で迎えたい。
    結婚について深く考え、充分な時間をかけたい
  4.結論:結婚延期の結論
    再来年へ延期し、充分な時間をとる
  5.謝罪と報告
    予定変更への謝罪と天皇皇后両陛下への報告
  6.まとめ
    延期を良い機会ととらえ結婚までの期間を過ごしていく

かっちりとした構成だ、というのが一番強い印象です。
それでいて文章そのものは物腰柔らかなものとなっていて、練られているな、さすがお国の文章だと感じました。

自分自身がこのような文章を書く機会はないと思いますが、この構成はおおいに参考になりそうです。

2.言っていること、いないこと

一番重要なのは、やはり第3段落目のところでしょうか。以下お気持ち文章からの引用です。

(前略) 二人で結婚についてより深く具体的に考えるとともに、結婚までの、そして結婚後の準備に充分な時間をかけて、できるところまで深めて行きたいと思っております。

つまり、結婚そのものを深く具体的に考える、とおっしゃっている。そして一方、さらに気になるのは、「結婚の意思に変わらない」旨が文章中に入っていないこと。
宮内庁のコメントでは「結婚のご意思に変わりはない」とありますが)

とはいうものの、今回の発表はただ延期の発表であります。
そしてその延期の結果、お二人の結婚は2020年になるといいます。

"一人より二人で見たい五輪の日"
(2015年度 婚活川柳 金賞)

東京でオリンピックが開催されるめでたい年に、お二人がそのようになっていらっしゃることを願うばかりです。