言の葉と道具

「Chromebook」や巷にあふれる「文章」に関することを書いていきます

【言葉】「絵画史上、最強の美少女(センター)」。なんてズルい言葉

これは5月7日まで国立新美術館で行われている展示会「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」の広告に使われているキャッチコピーです。アイドル文化の侵食が見られるコピーとルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」の画がよく調和していて、地下鉄広告でそれを見たときは、そうきたか、と唸ってしまいました。

そして、コピーの賛否が以下のようなニュースにもなっています。


www.j-cast.com



さて、このコピーを見て思い出した本があります。『セールスライティング・ハンドブック「売れる」コピーの書き方から仕事の取り方まで (ロバート・W・フライ 翔泳社)』です。その本では、専門用語をコピーライティングに使用することについて、次のように述べています。

読み手の95%以上が理解できると思わない限り、専門用語は使わない
(第3章 圧倒的に伝わるコピーの書き方)

このコピーに唸ったのは、「センター」という専門言葉が、人口に膾炙したんだなあという事実に衝撃を受けたのかもしれません。ちなみに本書が述べている、上記が含まれる、明瞭なコピーを書くための11のチェックポイントは次のとおり。

  1. 読み手を第一に考える
  2. よく考えてセールスポイントを配置する
  3. 全体の
  4. 一文を短くする
  5. 簡単な言葉を使う
  6. 難しい専門用語を避ける
  7. コンパクトに
  8. 具体的に
  9. ストレートに要点に入る
  10. フレンドリーに話しかけるように書く
  11. 性別表現を避ける


この本は、「コピーライター」向けというよりも、もう少し広義に商品を売るための文章を書く人向けに、網羅的にコピーを書く上での法則やヒント、テクニック、アイデアを述べている。「セールスライティング」という言葉に興味をもつ人が最初に手にする一冊としては好適かと。

しかし、センターが、ルノワールであれば、他の選抜メンバーは誰になるのでしょうかね。私ならミュシャが描いた女性を推しにしたい、なんて。