言の葉と道具

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【開示】適時開示アワード/1年を振り返るネット投票企画

12月が近づくと、今年一年での流行りに順位をつける企画が増えてくる。私がここ数年、楽しみにしているのが「適時開示アワード」です。

discloawards.com
「適時開示」とは上場企業が外部へ発表する情報の一つです。企業は東証等のルールにもとづいて、重要な情報を適時に開示する必要があります。そして「適時開示アワード」は、

上場企業等に提出が義務づけられている「適時開示書類」について、もっと多くの方に関心をもっていただくために、今年(※1)最も印象的であった適時開示情報をみんなで決めるイベントです。
(※1)「今年」とは、2017年12月1日から2018年11月30日までの期間をさします。(適時開示アワードホームページより)


このアワードは正式なものではなく、ネット上の投票企画です。しかしながら、選ばれた開示を見ると、それぞれなかなか興味深いものがあります。なお、2017年の1位は東芝の「第178期(2017年3月期)有価証券報告書」が受賞しています。(2017年結果へのリンク


さて、今年はどのような開示がノミネートされ、アワードの栄冠に輝くのでしょうか。ノミネート期間は11月18日(日)まで。投票が12月上旬、発表が12月14日とのこと、楽しみです。



私は上記に応募も投票もしていませんが、折角ですから、印象深い開示を一つ、あげてみます。


寺崎電気産業株式会社(コード番号:6637、会計監査人:EY新日本有限責任監査法人)が平成30年9月19日付で開示した「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の再提出について 」(適時開示書類へのリンク:PDFファイル)です。


提出理由をご覧ください。

当社は、平成30年9月13日に開示いたしました「社内調査委員会の調査報告書受領に関するお 知らせ」のとおり、当該報告書を踏まえ、平成30年9月14日付けで、過年度の有価証券報告書及 び四半期報告書の訂正報告書を近畿財務局へ提出いたしましたが、監査法人の監査又はレビュー が未了のものを、その編集作業中に誤って提出したため、訂正報告書の記載事項に一部誤りがあり、再提出するものであります。(以下略。)


このリリースを読んで、個人的には「いや、あんなに沢山訂正報告書開示して「編集作業中に誤って提出」って無理筋な説明でしょう」と衝撃を受けたことを覚えています。
なにせ10個以上の書類を、それも時間ギリギリにまとめて提出*1したのですから。一体何があったのでしょうか……。


適時開示はときに、文章の間から会社のドラマが垣間見える。そんな気がします。

*1:EDINETは17時15分までで営業が終了し、それ以降開示ができません。寺崎電気産業の9月14日のEDINET提出は、16時代にまとめておこなわれました。