言の葉と道具

「Chromebook」や巷にあふれる「文章」に関することを書いていきます

【言葉】ニュースの見出し「映画未出演も映画賞受賞」に戸惑う

書きものをしていて特に苦手なことに、見出しをつけることがあります。

見出しとは「読者が最初に目にするもので、ニュースの看板であり、ニュースのダイジェストとなる。(中略)簡潔な記事の極致とも言える。」(共同通信社の記者ハンドブック(第13版),8ページ)とあります。ブログですとタイトルがそれにあたるでしょうか。インパクトのある見出しは読者を強く引きつけるはずです。

本日の朝、Yahooニュースで見かけた「Koki, 映画未出演も映画賞受賞」という見出しがまさにそれでした。

映画に出演したことがない、モデルであるKoki,さんが映画賞をもらったとはどういうことか。デイリースポーツの記事によると貰った賞は次のようなものだそうです。

今年最も輝き、これからの活躍を応援したい女性に贈られる「エル・ガール ライジングスター賞」を獲得。2015年に創設された同賞で映画出演の経験がない受賞者は初。
(デイリースポーツ記事へのリンク


映画賞の一部門だけど映画でたかは関係ないもの、といったところでしょうか。
ネガティブな記事がでてしまいました。
biz-journal.jp


確かに思います。有名な両親を持つということを明かしている彼女に箔をつけるためにねじ込んだのではないか、と。売り出し中の彼女にこの賞を授けた人達は、彼女のモデルとしての価値にポジティブかどうかを熟慮したのかどうか。それとも悪名でも良しとしたのか、気になります。


ところで、上記のようにある分野の賞だけど将来性に期待して賞をあげる、といった賞があります。「日本メガネベストドレッサー賞 特別賞」です。ホームページ(結果へのリンク)にも、わざわざ(今後、メガネをかけて活躍してほしい人)と明記しているほど。


既に30回以上歴史をもつメガネベストドレッサー賞の次回発表は来年の10月ごろ。そのころ、私たちは彼女がメガネをかけた姿をメディアで見かけるのかもしれません。”koki, メガネベストドレッサー受賞”なんて見出しとともに。


そんなありきたりな見出ししか考えられない私に、もう少しのセンスを誰か授けてほしいものです。

【適時開示】書いちゃえ日産 。カルロス・ゴーン不正疑惑の適時開示

見るだけで、切迫感が伝わってくる書類があります。
昨夜、11月19日の夜に日産自動車株式会社の代表取締役会長、カルロス・ゴーンが不正行為を行っていたとして逮捕されました。容疑は有価証券報告書の虚偽表示。事件自体についてはメディアが大々的に取り上げているため、言及することはありません。


ただ一つ、非常に印象に残ったことがありました。本件を伝える日産の適時開示文書そのものに、です。


タイトルは「当社代表取締役会長らによる重大な不正行為について」(日産HPへのPDFリンク)。


会社のプレスリリース(日産HPへのリンク)が18時30分過ぎ(NHKニュースWEB版では18時43分更新でこの会社発表を伝えています)、上記の東証(TDNET)適時開示は19時でした。


17時過ぎにあった第1報の報道からリリース発表まで、時間が短いにもかかわらず、リリースのなかには代表取締役の解職を取締役会に提案する旨までが書かれている。用意がしっかりされているな、そう感じていました。しかし、東証の適時開示文書を見て違和感を覚えました。


どうしてこんなに文書の体裁が整っていないのか、と。

同社が9月に開示した「完成検査における抜取検査の不適切な取扱いへの対応等について」(日産HPへのPDFリンク)とあわせてご覧いただければわかりやすいかもしれません。
ざっと見比べるだけど、以下のような違いがあります。

  1. 適時開示文書の右上に「会社名」「代表者名」および「問合せ先」を記載する部分があるが、それぞれの文字列の先頭は通常揃っている。今回は、これらがばらばらであった。
  2. 「問合せ先」にあるいつもある”IR部”という部門表記がない。
  3. 本文のフォント明朝体の場合もあれば、ゴシック体の場合もある。今回の適時開示文書はゴシック体。
  4. 適時開示文書右上に、財務会計基準機構の会員マーク(丸いマーク)がついているときとついていないときがある。
  5. タイトルと本文のフォントサイズが同じである。通常はタイトルのほうがフォントサイズが大きい。
  6. 本文行間がいつもと違う。


特に、1.はあまり見かけない事象です。おそらくWord上で右揃えにしてしまったのではないでしょうか。17時過ぎの報道第1報以降に、この適時開示文書を作りはじめたのではないか、そう思うほどです。


開示書類の乱れは、会社の乱れ。
ある企業を見るとき個人的に気にかけていることです。ここ暫く、日産の適時開示から目が離せそうにありません。

【開示】適時開示アワード/1年を振り返るネット投票企画

12月が近づくと、今年一年での流行りに順位をつける企画が増えてくる。私がここ数年、楽しみにしているのが「適時開示アワード」です。

discloawards.com
「適時開示」とは上場企業が外部へ発表する情報の一つです。企業は東証等のルールにもとづいて、重要な情報を適時に開示する必要があります。そして「適時開示アワード」は、

上場企業等に提出が義務づけられている「適時開示書類」について、もっと多くの方に関心をもっていただくために、今年(※1)最も印象的であった適時開示情報をみんなで決めるイベントです。
(※1)「今年」とは、2017年12月1日から2018年11月30日までの期間をさします。(適時開示アワードホームページより)


このアワードは正式なものではなく、ネット上の投票企画です。しかしながら、選ばれた開示を見ると、それぞれなかなか興味深いものがあります。なお、2017年の1位は東芝の「第178期(2017年3月期)有価証券報告書」が受賞しています。(2017年結果へのリンク


さて、今年はどのような開示がノミネートされ、アワードの栄冠に輝くのでしょうか。ノミネート期間は11月18日(日)まで。投票が12月上旬、発表が12月14日とのこと、楽しみです。



私は上記に応募も投票もしていませんが、折角ですから、印象深い開示を一つ、あげてみます。


寺崎電気産業株式会社(コード番号:6637、会計監査人:EY新日本有限責任監査法人)が平成30年9月19日付で開示した「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の再提出について 」(適時開示書類へのリンク:PDFファイル)です。


提出理由をご覧ください。

当社は、平成30年9月13日に開示いたしました「社内調査委員会の調査報告書受領に関するお 知らせ」のとおり、当該報告書を踏まえ、平成30年9月14日付けで、過年度の有価証券報告書及 び四半期報告書の訂正報告書を近畿財務局へ提出いたしましたが、監査法人の監査又はレビュー が未了のものを、その編集作業中に誤って提出したため、訂正報告書の記載事項に一部誤りがあり、再提出するものであります。(以下略。)


このリリースを読んで、個人的には「いや、あんなに沢山訂正報告書開示して「編集作業中に誤って提出」って無理筋な説明でしょう」と衝撃を受けたことを覚えています。
なにせ10個以上の書類を、それも時間ギリギリにまとめて提出*1したのですから。一体何があったのでしょうか……。


適時開示はときに、文章の間から会社のドラマが垣間見える。そんな気がします。

*1:EDINETは17時15分までで営業が終了し、それ以降開示ができません。寺崎電気産業の9月14日のEDINET提出は、16時代にまとめておこなわれました。

【雑記】辛いものが食べたい ー 中華三昧 麻辣火鍋麺 ー

辛味の強い食べものに、チャレンジしたくなるときがあります。
ただ辛さに強くはないので、辛すぎて困るときもしばしばですが。


それでも、先週末は辛味にチャレンジする気持ちでしたから、スーパーの袋麺コーナーにある「明星食品 中華三昧 麻辣火鍋麺(まーらーひなべめん)」を見つけると、すぐに買い物カゴにいれました。麻辣火鍋麺という漢字からして辛味が伝わってきます。


インスタントラーメンは、麺を茹でて最後にスープをいれるものがほとんどです。
しかし、これは名前に「鍋」とあるように、最初にスープと一緒に野菜を茹で、その後に麺をいれるタイプ。早速、食べます。


スープをいれた鍋に、もやしと人参、たまねぎが放りこんで。ほどよく煮られた野菜たちに続いて麺をいれます。仕上げに炒めた豚肉の細切れ少々を加えて出来上がり。インスタント食品にこういった具材を足すと、途端に豪奢なことをしている気分になってしまうのはどうしてでしょうか。


まずは麺からいただきます。
少し平べったく、コシがあってつるっとした感触の麺にスープが適度にからんで。辛味については、香辛料の赤さが目立つスープの見た目ほどではありませんでした。麺だけ食べるならば辛さはあまり感じられず、辛いのが好きな人には物足りないかもしれません。
ただ、辛味に強くない私にとっては好みな加減で、ささっと完食してしまいます。


2018年8月に発売された新顔の麺は、数多く発売される新商品は激しい生き残り競争にさらされます。何度か食べて応援したい。辛くもおいしくいただける麺でした。

【chromebook】端末間のちょっとした共有に「Pushbullet」が便利

Chromebookスマートフォンの端末間でデータをやりとりする際には「Googleドライブ」を使い、メモを端末間で共有する際には「Evernote」を使っています。

しかしながら、例えば、「今日の夜に行く居酒屋のサイトURLを、スマートフォンに送っておく」といったときに、上記のアプリを使うと次のような手順で共有を行っていました。


1.ChromebookでURLをコピー
2.ChromebookEvernoteを立ち上げる。
3.新しいノートをつくってURLをはる。
4.スマートフォンEvernoteを起動する
5.Evernoteのノートをみる。
6.URLを開く。(これを見ながら居酒屋へ移動)
7.終了後Evernote上のノートを削除する


単にURLを送るには、少し大仰な感じがします。もっと簡単にしたい、そのようなときに使えるのが「Pushbullet」です。
このサービスは、スマートフォンとPC間でメッセージやファイルを気軽に共有するものです。


f:id:i_daigoro:20180608182611p:plain

導入

スマートフォンにアプリ(AndroidiOS版どちらもあります)をインストールし、chromebookで使っているgoogleアカウントでログインします。一方、Chromebook側には拡張機能をインストールし、同じくgoogleアカウントでログイン。準備はこれだけです。

使用方法

では、冒頭の「今日の夜に行く居酒屋のサイトURLを、スマートフォンに送っておく」というシチュエーションを例に、Pushbulletを使ってみます。

1.共有したいWEBページの右上ツールバーから共有
共有したいWEBページを開き、画面右上の拡張機能ボタンをクリックします。すると以下画面のようなポップアップが開きます。「デバイス」から送りたい端末を選択し(今回は「Xperia」)、ポップアップ右下の三角アイコンをクリックします。


f:id:i_daigoro:20180608182624p:plain


2.スマートフォンにプッシュ通知が届く
1.を行うと端末にプッシュ通知がくるのでタップしてブラウザから開きましょう。

f:id:i_daigoro:20180608182619j:plain:w400


操作はこれだけです。どうでしょう、かなり手間を省くことができたのではないでしょうか。メッセージがプッシュ通知されるのが便利ですね。もちろん、メッセージやリンクを送るだけでなく、ファイルも送付することができます。また、「Pushbullet」は拡張機能をインストールしなくとも、ブラウザから使うことができますので、拡張機能がインストールできないPCでも使用することができます。


私自身は、残すデータはオンラインストレージを使い、一時的な共有は「Pushbullet」を使う、といったように場合に応じて使い分ける方向でこのサービスを使っていこうと考えています。


それにしても、一度くらいは上の例で使用した、江戸前な寿司を食べにいきたいものです。